皆さんの工場設備の心臓「シーケンサ」が危ない!?【Vol.1】

皆様、こんにちは。光和電機、代表の石川と申します。
今回より、工場や施設の電気設備に関するお役立ち情報を定期的に皆様にお届けしたいと思います。ぜひ、皆様の参考になれば幸いです。
第1回目は、工場設備の「心臓」とも呼ばれる「シーケンサ」についてです。「シーケンサ」に関するよくあるお困りごとや対策方法について、私たちのお客様の事例を踏まえて解説いたします。

このような方はぜひ最後までご覧ください!

  • 工場、施設内の設備が古い為、製造メーカーが存在しないor同じ型の設備が存在しない
  • 設備を設置した際に対応してもらった工事会社の定期メンテナンスが行われていない
  • 設備を導入してから、一度もシーケンサのバッテリー取替が行われていない
  • そもそも、設備のメンテ・施工会社からシーケンサの話題が出たことがない
  • 今まで気にしたことがなかったが、自社の設備の状態がどうなっているか気になっている

シーケンサとは…

シーケンサ(PLC)とは、設備(機械や装置)を自動的にコントロールするために必要なプログラムが書き込まれた、小さなコンピューターのようなものです。 このシーケンサが無いと、私たち電気設備工事会社が扱い、そして皆様の工場や施設で稼働している様々な生産設備は正常に稼働しません。

シーケンサがあることで、様々な装置、設備がその制御プログラムを基に作動し、そしてその動きを学習(記録)し、省力化自動化、そして最適化が行われます。
これが、シーケンサが設備の「心臓」と呼ばれる所以です。 既存のシーケンサが古く、製造メーカーがないor型番が生産終了している状態でシーケンサが故障すると、工場全体の生産が停止してしまうこともあります。
そうならないためにも、適切なメンテナンス・管理が必要です。

シーケンサのよくある質問

以下に、シーケンサに関するよくあるご質問や疑問をQ&A形式で解説いたします。

シーケンサの耐用年数やトラブルが発生しやすくなる年数は?

電気部品は、施工後5年ほどでトラブルが増えてきます。
すでに存在しないメーカーや型番などがある場合は、まずネットで調べることで廃番が大体わかりますが、中小メーカーだと資料が全くない場合もあるため、専門の電気設備工事会社に一度問い合わせることをオススメします。

 

シーケンサが壊れると、具体的にどのような対応が求められる?

配線等の不具合はいつでも直せますが、電気部品そのものが機能しなくなると、それらを交換する必要があります。
そして、シーケンサやインバータなどは交換だけではなく、プログラムデータ(制御プログラムなど)も再度入れ直す必要があります
※電気部品が壊れるとは、物理的に破断や焼損する場合や、基盤内の部品が不良で動作しないことを指します。

 

シーケンサのメンテナンスは誰に頼めばよい?

シーケンサの作業は特に専門の資格などは必要ありませんが、プログラム言語に関する知識や専門のスキルが求められる作業になります。
よって、制御についても対応できる専門の電気制御工事会社に依頼しましょう。

 

シーケンサプログラムのバックアップを取るべきタイミングは?

シーケンサプログラムは、定期的なバックアップを取る必要があります。
基本的には一度バックアップを取っておけば、定期的なバックアップは必要ありません。
しかし、設備や工程の改造などを行った場合には、都度バックアップを更新する必要があります

 

プログラムのバックアップスケジュールは、メンテナンス会社が把握しているものではないの?

本来は、施工時の図面にシーケンサに関するバックアップスケジュール等を記載する必要があり、施工会社はメモを残しています。
しかし実態は、設備の制御盤を開けても、古い図面に何もメモが残っていない場合があります。
事実、当社が施工に関わっておらず後からメンテナンスをした場合は、ほとんどのケースで記録が残っていませんでした。

 

万が一、シーケンサのバックアップやバッテリーの確認を怠り、シーケンサに異常が起きてしまった場合は…?

シーケンサの異常が起きた場合、機械の入れ替えそのものを行う(既存機械の廃棄する)必要が出てきてしまい、生産活動そのものに多大な悪影響を及ぼす恐れがあります。
また、生産活動自体に影響が出なかったとしても、入れ替えのために莫大な費用がかかります。

 

実際に光和電機がシーケンサに関して調査をした工場の事例

実際に私たちがお客様のシーケンサについて調査した際に、大きなトラブルとなりうる要因を発見した事例をご紹介します。

省エネのための終業時の主電源オフがシーケンサの負荷増加に…

 お客様の工場では、待機電力を減らして電気代を削減するために、終業時に設備の主電源を切っていました。
対象設備の制御はシーケンサにて実施していたため、毎日の電源のオンオフの作業によって、シーケンサの負荷が増加していました。基本的にシーケンサが早期に故障する事例はありませんが、毎日機械の電源を落としていると、多少寿命が短くなる可能性があります。
このように、日々の省エネ活動を優先して設備に無理な運用を強いてしまうと、シーケンサの予期せぬトラブルにつながってしまうことがあります。

シーケンサプログラムのバックアップ用バッテリーが耐用年数を超えていた。

シーケンサのバックアップ用バッテリーの耐用年数はそれぞれの型によって異なりますが、 およそ3~5年程度です。
理論上は10年以上持つのもありあますが、耐用年数が長いと言われる場合ほどメンテナンスがおろそか担っている場合が多く、バッテリー切れ等のトラブルによってシーケンサのプログラムデータが消えてから修理依頼をいただくことが多くあります。

使用しているシーケンサの中に、数世代前の機種があった

シーケンサについては定期的に世代交代が起きており、2世代ほど前のものになると、データ形式が変わっていることが多いため、交換時にデータ変換が必要になります(ただし、それらはプログラムソフトで自動的に変換することが可能なので、交換は可能です)。例えば、三菱のシーケンサFXを例にとると、現行FX3G←FX2U←FX1←F-1 と、この順番で世代交代が起きています。
この内、F-1はPCによるメンテナンスが出来ないため、古すぎる型を扱っている場合は注意が必要です(他にも、AシリーズやQシリーズも同じ傾向で、他メーカーでも3世代前から4世代前は、PCでのメンテナンスは不可となります)。

シーケンサに関するご相談は光和電機に!

いかがでしたでしょうか?
普段ほとんど意識することのないシーケンサですが、設備の心臓部となる重要な機器のため、適切な運用が必要です。
大きなトラブルが発生する前に、専門知識を持つ業者に調査依頼することをおすすめします。

私たちは、シーケンサの調査や設置、機器の修理・交換等について、豊富な実績があります。
新規施工・メンテナンスを対応している企業様の設備に関しては、将来の運用の為に必ず自主的にバックアップを取っています
また、設備施工やバッテリー交換をした際は、必ず5年後の日付をシールで残して次の交換時期を明確に、かつ定期メンテナンスの際には確認を怠らないようにして、シーケンサのトラブルを防いでいます。

シーケンサについて何かお困りごとや相談がございましたら、お気軽に私たちにご連絡ください。

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